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xAIがGrok Voice 3.0公開、料金据え置きで自動移行

xAIが音声対話モデル「Grok Voice 3.0」を公開した。料金は前世代と据え置きで、すでに古い版を使っているエージェントは自動で切り替わる。音声の自然さでトップに立ったとの主張は外部の指標に基づくが、どの場面で強いかは用途次第だ。

佐藤健太佐藤健太
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xAIがGrok Voice 3.0公開、料金据え置きで自動移行

xAIが音声対話モデル「Grok Voice 3.0」を公開した。料金は前世代と据え置きで、すでに古い版を使っているエージェントは自動で切り替わる。音声の自然さでトップに立ったとの主張は外部の指標に基づくが、どの場面で強いかは用途次第だ。

Grok Voice 3.0とはどのような音声モデルか?

xAIは10月14日、音声から音声へを1つのモデルで処理する「Grok Voice 3.0」を公開した。同社の「Voice Agent API」を通じて、音声1分あたり0.08ドルで使える。1時間で4.80ドルになり、前世代の「Grok Voice 2.0」とまったく同じ価格だ。値上げせずに世代を上げたことになる。

同社はこのモデルを「世界で最も知能の高い音声モデル」と位置づけ、顧客対応の通話を解決する性能で新記録を出したと主張している。応答までの遅延は1秒未満で、他のフロンティアモデルより運用コストが低いという。Grok VoiceはテスラとスペースXで1日数百万件の会話を処理しており、新しい版はその基盤を置き換える。

開発者にとって重要なのは移行の手軽さだ。APIの接続先に「grok-voice-latest」を指定しているエージェントは、開発者側で何も変更しなくても新しい版へ自動的に移行される。旧版の互換を維持する手間は要らない。

Grok Voice 3.0が音声でどこまで自然になったか

独立系の評価機関Artificial Analysisは10月13日付で、Grok Voice 3.0を音声間変換の指標「Speech-to-Speech Index」で首位に置いた。スコアは86.9。比較表にはOpenAIの「GPT-Live-1」(GPT-6 Astraが推論を担当、Medium設定)が83.2、Googleの「Gemini 3.8 Live」(Extended Thinking、High設定)が82.6、Grok Voice 2.0が81.3と並ぶ。

この指標は4つの要素を均等に重ねて算出される。音声推論を測る「Big Bench Audio」、顧客対応を模した「tau-Voice」、人間がペアで比べる選好評価、タスク成功率だ。4つすべての結果を出さないとスコアは付かない。

会話の自然さを測る「Full Duplex Bench」では97.0%を記録した。これは、相手が黙ったときや話を遮ったときにどれだけ自然に対応できるかを見る指標だ。電話口で「うん」「なるほど」とあいづちを打たれたときに、間を外さず会話を続けられるか、という部分にあたる。前世代は95.1%だった。

一方で、顧客対応の通話を再現する「tau-Voice」ではGrok Voice 3.0は71.6%にとどまり、GPT-Live-1の74.5%がわずかに上回った。ただしxAIによれば、このテストでは最初の音声を出すまでの速さでおよそ4割速かったという。正確さで並び、速さで勝る、という整理になる。

Grok Voice 3.0の料金とタスク単価

APIの分単位の料金は据え置きだが、タスクあたりのコストでは差が出る。Artificial AnalysisのBig Bench Audioの計測で、1タスクあたりの平均費用はGrok Voice 3.0が0.025ドル。GPT-Live-1が0.030ドル、GPT-Realtime-2.1が0.055ドルだった。大量の通話をさばく用途では、この差が積み上がる。

Grok Voice 3.0

  • 音声1分あたり0.08ドル(据え置き)
  • Full Duplex Benchで97.0%
  • タスク単価0.025ドル

前世代・競合

  • Grok Voice 2.0も同じ0.08ドル
  • GPT-Live-1はtau-Voiceで74.5%とわずかに上
  • GPT-Realtime-2.1はタスク単価0.055ドル

xAIは別の指標も挙げている。ServiceNowが公開する企業向け音声エージェントのベンチマーク「EVA-Bench」で、Grok Voice 3.0は74%の精度を記録し、200を超える現実的な業務シナリオで最高性能だったとしている。同社のプロダクト責任者ニティン・アガルワル氏は、精度と顧客体験を合わせた評価で他を上回ったとコメントした。

Grok Voice 3.0を実際に使う場面

音声エージェントを組もうとしている開発者にとって、料金が据え置きで自動移行という条件は判断を楽にする。切り替えコストが実質ゼロだからだ。

どのモデルを選ぶかは用途で変わる。話の間や遮りへの自然な対応を重視するなら、Grok Voice 3.0のFull Duplex Benchの数字は魅力になる。なまりの強い声や雑音の多い環境での通話の正確さを重んじるなら、tau-Voiceで上に出たOpenAIのモデルも候補に残る。自社の通話データで実際に試すのが確実だ。

テスラの車載では、ドライバーが予定の確認やメールの返信にGrok Voiceを使っているという。スペースXの衛星インターネット事業スターリンクでは、1日およそ2万件の顧客通話に対応し、その約7割が人を介さずに解決する。購入につながる商談の4分の1は、相手が電話を切る前に成約するという。実運用の数字が示されているぶん、単なるデモより判断材料になる。

Grok Voice 3.0はVoice Agent APIで利用できる。grok-voice-latestを指定しているエージェントはすでに移行済みだ。モデル名を固定で指定している場合は、自前で切り替える必要がある。音声エージェントの分野は競争が速く、次の版で数字が塗り替わる可能性も見ておきたい。

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