AIツールは数え切れないほどあるが、日常の仕事で実際に開くものは数本に落ち着く。2026年9月時点で、カテゴリの代表格として長く使われている7本を、役割が重ならないように選んだ。
選ぶ基準は「毎日開くか」
新しいAIツールは毎週のように発表される。だが実際に使い続けるのは、ごく一部だ。珍しさで選んだツールは数回で開かなくなり、作業の流れに組み込まれたツールだけが残る。
この7本は、そうした定着を前提に選んだ。会話、文章、画像、動画、コーディング、調べ物、議事録と、日常で発生する作業をひと通りカバーする。どれも無料プランがあり、いきなり課金せずに試せる。
数字は2026年9月時点で確認している。料金は頻繁に変わるため、契約前に公式ページで最新の値を確認してほしい。
定番AIツール7本の全体像
ツール | 提供元 | 特徴 | 料金 |
|---|---|---|---|
ChatGPT | OpenAI | 何でもこなす入口 | 無料、Plusは月20ドル |
Claude | Anthropic | 長文と文章の質 | 無料、Pro月20ドル |
Google Gemini | Google連携と画像 | 無料、AI Proは月19.99ドル | |
Midjourney | Midjourney | 画像生成の表現力 | 月10ドルから |
Runway | Runway | 動画生成と編集 | 無料、有料月15ドルから |
Cursor | Anysphere | コード生成と編集 | 無料、Proは月20ドル |
Perplexity | Perplexity | 出典付きの調べ物 | 無料、Proは月20ドル |
ChatGPT:まず入れておく1本
最初の1本に迷ったらこれで決まり
ChatGPTは、AIツールの入口として最も無難な選択だ。文章の作成、翻訳、要約、調べ物、簡単な画像生成まで、ひとつの画面で対応する。ほかのツールの役割の多くを、これ1本である程度こなせる。
定着している理由は、質問の仕方に寛容な点にある。曖昧な指示でも意図を汲んで返してくれるため、AIに慣れていない人でも扱いやすい。
専門的な用途では専用ツールに劣る。画像の作り込みやコードの統合など、深さが要る場面では次のツールを足すことになる。
- メリット
- 用途を選ばず対応する
- 日本語の自然さが高い
- 無料でも実用範囲が広い
- デメリット
- 専門用途では専用ツールに劣る
- 混雑時に応答が遅れる
Claude:文章を書くなら
長い原稿を一貫性を保って仕上げたい人へ
Claudeは、長い文章を扱う作業で力を発揮する。数ページの報告書や、トーンを保ったままの推敲に向く。書いた内容の流れを汲み取り、途中で論点がずれにくい。
全体の構成を保ったまま修正を重ねられるため、企画書や記事の執筆で重宝する。コードの読み書きもこなす。
画像生成には対応しない。ビジュアルが必要な作業は別のツールに任せることになる。
- メリット
- 長文でも一貫性を保つ
- 推敲の指示に従いやすい
- コードも扱える
- デメリット
- 画像生成は非対応
- 無料枠の回数は少なめ
Google Gemini:検索と画像をまとめる
Googleのサービスを普段使いしている人へ
Geminiは、Googleのサービスと結びついたAIだ。検索結果を踏まえた回答を返し、画像生成の品質も高い。Gmailやドキュメントの中から呼び出せるため、作業を切り替えずに使える。
無料枠でも画像を生成できる回数が多く、ちょっとした挿絵作りに便利だ。最新情報を絡めた調べ物でも力を発揮する。
Googleアカウントが前提になる。別のクラウド中心の使い方だと利点が薄れる。
- メリット
- Google製品と直結
- 画像生成の品質が高い
- 検索連動の回答が速い
- デメリット
- Googleアカウントが必須
- 長文の一貫性はClaudeに譲る
Midjourney:画像の表現力で選ぶ
雰囲気のあるビジュアルを作りたい人へ
Midjourneyは、画像生成の表現力で頭一つ抜けたツールだ。絵画的な質感や、光の扱いが巧みで、他のツールでは出にくい雰囲気の画像が作れる。イラストやコンセプトアートの制作に向く。
細かな指示を重ねるほど、狙いに近い画像が出る。プロンプトを工夫する楽しさがある。
日本語の指示は苦手だ。英語でプロンプトを書くか、翻訳を挟む必要がある。
- メリット
- 画像の表現力が高い
- 芸術的な質感に強い
- コンセプト制作に好適
- デメリット
- 日本語の指示が苦手
- 無料枠は限定的
Runway:動画を生成して編集する
短い動画をAIで作りたい人へ
Runwayは、テキストや画像から動画を生成し、そのまま編集できるツールだ。数秒のクリップを組み合わせて、短い映像にまとめられる。背景の差し替えや、動きの追加もできる。
広告やSNS用の短尺動画の制作に向く。撮影なしで映像のたたき台を作れるのが利点だ。
長い尺の動画は苦手で、クリップ単位での生成になる。作品としての完成度を求めるなら、通常の編集ソフトと組み合わせることになる。
- メリット
- テキストから動画を生成
- 生成と編集を1つで完結
- 短尺動画の制作が速い
- デメリット
- 長尺の動画は不得意
- 生成に時間がかかる場合あり
Cursor:コードを書く作業を変える
プログラミングの手間を減らしたい人へ
Cursorは、コードの生成と編集に特化したエディタだ。やりたいことを日本語で伝えると、コードを書いたり直したりする。複数のファイルにまたがる修正も、指示ひとつで進められる。
既存のエディタに慣れた人ほど、その便利さが分かる。AIが書いたコードを確認しながら進められる。
プログラミングの基礎がないと、出力の良し悪しを判断しにくい。学習中の人は、まず基本を押さえてから使うほうがいい。
- メリット
- 複数ファイルの修正を指示で進められる
- コードの補完精度が高い
- 既存の作業環境に馴染む
- デメリット
- 基礎知識がないと判断しにくい
- 使用量に応じて費用が増える場合あり
Perplexity:調べ物の出典を残す
情報の根拠を確認しながら調べる人へ
Perplexityは、回答の根拠になったページを必ず示す調べ物ツールだ。複数のページを読み込んで要約を返すため、ニュースの背景を短時間でつかめる。
出典が並ぶことで、内容の裏取りがしやすい。仕事で使う情報を集める場面に向く。
会話の記憶は長くない。一連の議論を続けるより、単発の質問を重ねる使い方が合う。
- メリット
- 回答に出典が付く
- 複数ページを横断して要約
- 最新情報に強い
- デメリット
- 長い会話の文脈は保ちにくい
- 高度な検索は回数制限あり
ツールを増やしすぎない
AIツールは増やすほど便利になるとは限らない。同じ用途のツールを2本契約しても、使い分けの判断に時間が取られる。まずは1つの作業を1本で回し、足りないと感じたときだけ次を足す。
料金も見直したい。無料プランで足りる作業に、有料プランを払い続けるのは無駄だ。月に一度、各ツールの利用状況を振り返り、開いていないものは解約を検討する。
データの扱いにも目を向けておきたい。業務で使うなら、入力した内容がどう扱われるかを確認しておく。無料プランでは学習に使われる設定が既定になっている場合がある。
目的別の選び方
こんな作業をしたいなら | おすすめ |
|---|---|
何でも1本で済ませたい | ChatGPT |
長い文章を書き上げる | Claude |
Google連携と画像 | Google Gemini |
表現力のある画像 | Midjourney |
短い動画を作る | Runway |
コードを書く | Cursor |
出典付きで調べる | Perplexity |
まずは自分の1日の作業を書き出し、その中で最も時間を食っている工程を1つ選ぶ。その工程に効くツールから試せば、導入の効果を実感しやすい。






