動画生成モデルKling 4.0のAPIが、falで全顧客に開いた。1回の生成で30秒を切れ目なく撮れ、キーフレームを10枚まで置ける。仕様表と実測の間には、まだ埋まっていない溝がある。
falでKling 4.0のAPIが全顧客に開放された
falは10月23日、Kling 4.0のAPIを全顧客に開放したと発表した。それまでは同社の操作画面とエージェント経由でしか触れなかった。
Klingは快手(Kuaishou)の動画生成サービスである。正式発表は10月15日、APIの段階的な開放は10月21日に始まった。より速いKling 4.0 Flashは9月28日から限定の早期アクセスに入っている。
Kling 4.0で30秒を1カットで撮るということ
これまでの動画生成は、5秒から10秒の断片を作り、それを繋いでいた。繋ぎ目では人物の服や光が変わる。編集で隠す作業が発生する。
Kling 4.0は1回の生成で3秒から30秒までを連続した1カットとして出す。CMの絵コンテを1本のカメラワークで通す。短編の会話シーンを切らずに撮る。そうした使い方が現実になる。
全部が一度に使えるわけではない。30秒を選べば待ち時間も伸びる。後述するように、第三者の環境での実測では最初の5秒に339秒かかっている。
Kling 4.0のキーフレーム10枚とOmni Referenceの使い道
制作側に効くのは、キーフレームを10枚まで指定できる点だ。始まりの絵、終わりの絵、途中の要所を置けば、動きの自由度を残したまま構図を固定できる。
Omni Referenceは参照素材を最大15点まで渡せる仕組みである。内訳は画像が10点まで、動画が5点まで(合計30秒)、音声の参照、要素が7点まで。同じ人物を別カットでも同じ顔にする、商品の形を保つ、といった用途を想定する。
プロンプトは8,000トークンまで書ける。画面内の文字は中国語、英語、日本語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語などに対応するとされる。看板や商品ラベルに文字を入れる案件では差が出る。
音声は2チャンネルのステレオで同時に出る。画幅は21:9が新しく加わり、16:9、1:1、9:16、Autoから選べる。動画編集は最大5本の入力(本編1本と参照4本、合計30秒)を扱える。既存の素材を混ぜて1本にまとめる作業まで、同じAPIの中で完結する作りだ。
Kling 4.0の料金は1秒いくらか
公式の価格表は公開されていない。第三者であるSandBaseのAPIカタログでは、出力1秒あたり0.157ドル(720p)、0.235ドル(1080p)と表示されている。30秒の1080pなら約7.05ドルだ。
動画編集は入力秒と出力秒の合計で課金される。30秒を作るのに何度も失敗すれば、その分だけ請求が積み上がる。1本7ドルは安い。ただし試行回数を含めた単価で見る必要がある。
Kling 4.0の最初の5秒に339秒かかった実測
SandBaseが公開した一度きりの試行では、5秒の1080p生成に339秒かかった。同じプロンプトでVeo 3.1の4秒(音声オフ)は51秒だった。
この比較は条件が揃っていない。尺も音声も違う。ベンチマークではなく、1回の記録として読むべき数字だ。
それでも待ち時間の差は作業の組み方に影響する。339秒待つ間に、別のカットを回す。並列で走らせる設計が前提になる。
Kling 4.0の4KとHDRはまだ予告の段階
仕様表には4K、10bit HDR(1080pと4K)、2分までの動画延長が並ぶ。いずれも「近日対応」と注記されている。
第三者のAPIでは、これらがすべて露出しているわけではない。実際に使えるのは最初と最後のフレームの指定、画像10点と動画5点の参照、720pと1080pまで、というのが現状の報告だ。
発表資料の数字をそのまま見積もりに使うと、納品物と合わない。では、どの工程から置き換えるべきか?
どの作業からKling 4.0に置き換えるか
向くのは、絵コンテが固まっていて、カメラが1つのカットで長く回る場面だ。商品紹介のワンカット、短編の会話、語り手のトーク部分。30秒を切らずに見せられること自体が価値になる。
細かいカット割りが大量に必要な編集には、まだ遅い。4KとHDRが実際に開くまでは、放送や劇場向けの納品にも使いにくい。
Klingは6,000万人のクリエイターと3万社の企業顧客がいると自称する。数字は同社の発表によるものだ。競合にはVeo 3.1、Seedance 2.5、Runwayが並ぶ。まずは720pで30秒を1本作り、待ち時間と料金を自分の案件で測る。それが一番早い判断になる。






